著者:倉林 靖
発刊:2013年9月20日
定価:1,800円(+消費税)
判型:四六判 並製
頁数:192頁(口絵カラー8頁)
ISBN:978-4-907083-05-2 C0070

社会のために、わたしに何ができるだろう?
あらゆる人が、「私」と「社会」の関係を考える端緒となった東日本大震災。

著者は美術評論家として、復興支援活動や、被災地でプロジェクトを行うアーティスト、アート関係者を通じて、震災や原発、社会をめぐるアートの動きを2年にわたって取材。 そのなかで出会った人々、作品、土地を通して見えてきたのは、変わりつつある社会と、新しい表現の萌芽でした。
本書は、震災半年後より雑誌『BIOCITY』に連載され話題となった「震災とアート」全6回に、「補遺」編を加筆した一冊です。さらに、震災から2年間の美術界の動き――文化財の被災状況や復興活動、中止・延期された展覧会、そして多様なアート支援プロジェクトを一覧にした充実の資料編も収録しています。

――みなが正しいと信じることを言い続ければ、百年後には、たぶん、世界は変わる。願わくは、世界を変える幾千万もの複数の声のうち、自分の声もその一画をかたちづくるものでありますように。(本文より)

もくじ
はじめに
第1回 アートに何が可能か
第2回 アートとコミュニティ
第3回 原発(原爆)とアート
第4回 いま、あらためて、アーティストと「3・11」
第5回 東北の「いま」と「これから」
第6回 「複数の声」のために
補遺  今日におけるアートの役割に関する理論的背景
あとがき

著者紹介
倉林 靖
1960年群馬県生まれ。青山学院大学卒業。1986年、美術出版社主催「芸術評論」募集で第一席入選し、以後評論活動を開始。美術・音楽・文学を横断的に論じ、取材に基づくわかりやすい評論で知られる。美術評論家連盟会員。主著に『現代アートの遊歩術』(洋泉社)、『澁澤・三島・六〇年代』(リブロポート)、『新版 岡本太郎と横尾忠則』(LLPブックエンド)などがある。2013年6月より雑誌BIOCITYに「Art for Humanity」を執筆。