BIOCITY ビオシティ 94号 ネイチャー・ポジティブ入門 2030年に向けた生物多様性の新しい指針

発刊:2023年4月10日
価格:2,750円(税込)
判型:B5判
頁数:128頁
ISBN978-4-907083-82-3 C0040

目次
特集
ネイチャー・ポジティブ入門
2030年に向けた生物多様性の新しい指針
古田尚也 編
大正大学教授/IUCN日本リエゾンオフィス・コーディネーター

巻頭言 ネイチャー・ポジティブへの道 COP15からG7へ 古田尚也

第1部 生物多様性条約COP15とネイチャー・ポジティブ
生物多様性の新たな世界敵枠組 生物多様性条約 COP15 ソニア・ペーニャ・モレノ
生物多様性世界枠組と30 by 30 自然再生と保護に関する意欲的な目標 ナイジェル・ダドリー
生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)の成果 PEDRR環境と災害リスク軽減に関するパートナーシップの15周年 ナタリー・ドズウェルド
気候変動枠組条約 COP27とネイチャー・ポジティブ IUCNの参画と成果 サンディープ・セングプタ
IUCNレッドリストの歴史 これからの種の保存を考える サイモン・スチュアート
IUCN「自然貢献プラットフォーム」 モニタリングのためのデジタルツール ローラ・デノス

第2部 ネイチャー・ポジティブと企業活動
IUCNリーダーズ・フォーラムとネイチャー・ポジティブ・アプローチ パオラ・ジェレミーチャ
ネイチャー・ポジティブと日本の経済界 サステナブルな資本主義の実現へ 加藤 拓
企業活動とネイチャー・ポジティブの実現 TCFDの経験から考えるTNFD 藤馬裕一+佐々木美奈子
企業のための生物多様性戦略ガイドライン 計画策定とモニタリングへのヒント 生田美生
ビジネスと生物多様性 野生生物経済を考える フランシス・ボーヒーズ

ミニ連載
ヴィンテージアナログの世界㉜ 高荷洋一
装飾料紙と書③ 和歌体十種 惠美千鶴子

連載
動物たちの文化誌㊲ 幽しき動物たち 2 早川 篤
交感し、共生するアート ジャン=ピエール・レイノー 嘉納礼奈

著者紹介
古田尚也
大正大学総合学修支援機構教授兼IUCN日本リエゾンオフィス・コーディネーター。三菱総合研究所在職中の2000–01一年に、日本人で初めて国際自然保護連合(IUCN)スイス本部に勤務。2009年にIUCN日本事務所が設立され、以来責任者として生物多様性に関する国内外の政策展開に携わる。2015年より現職。編・著書に『Asian Sacred Natural Sites』(Routledge, 2016年)、『実践! グリーンインフラ』(日経BP、2019年)など。BIOCITY編集委員。

ソーニャ・ペーニャ・モレノ Sonia Peña Moreno
IUCN国際政策センター長。IUCN本部の生物多様性政策・ガバナンス・コーディネーターとして約20年間主に生物多様性条約(CBD)を中心としたIUCNの生物多様性政策や国連プロセスを担当。現在は気候変動やワシントン条約も含めIUCNの関連するすべての国際政策のコーディネートの責任者を務める。

ナイジェル・ダドリー Nigel Dudley
1991年にスー・ストールトンとともにイクイリブリアムリサーチを共同設立。IUCN世界保護地域委員会(WCPA)およびIUCN環境・経済・社会政策委員会(CEESP)メンバー。自然解決に関するWCPA専門家グループの議長を務め、オーストラリアのクイーンズランド大学地理・計画・環境管理学部の産業フェローでもある。

ナタリー・ドズウェルド Nathalie Doswald
国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)シニアオフィサー、PEDRR副議長。環境科学者、生態学者。環境と開発に関する科学と政策の接点で10年以上の経験をもち、特に生物多様性保全と気候変動、気候変動適応と災害リスク軽減のためのNbS(自然に根ざした解決策)を専門とする。

サンディープ・セングプタ Sandeep Sengupta
国際自然保護連合(IUCN)の気候変動に関する国際政策責任者。15年以上にわたり、環境、開発、天然資源管理など幅広い分野の問題に取り組む。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)、オックスフォード大学で国際関係学を研究(博士)

サイモン・スチュアート Simon Stuart
シンクロニシティ・アース戦略的保全部長。1956年生まれ、英国の保全生物学者。IUCNの種の保存委員会(SSC: Species Survival Commission)の議長として、「IUCN絶滅危惧種レッドリスト」のカテゴリーと定量的な基準の開発を主導し、評価対象種の拡大に貢献した。2020年ブループラネット賞受賞
ローラ・デノス Laure Denos
IUCN科学・政策上級専門家。フランス環境省、南米・中米のNGOや民間コンサルタント会社勤務を経て現職。環境問題を専門とするフランス人エンジニアとして、人と自然のより調和し
た暮らしを追求する。

パオラ・ジェレミーカ Paola Geremicca
IUCNシニアマネージャー。スポンサーシップ、パートナーシップの仕組みを構築し、「自然を大切にする世界」というIUCNのビジョンを実現するための民間セクターとの関わりを担当

加藤 拓
経団連自然保護協議会事務局次長。1970年東京都生まれ。1993年安田火災海上保険(現損害保険ジャパン)入社、東京・関西圏での企業営業や、中国に駐在して現地法人の経営企画等を担当、2021年から現職。

藤馬裕一
株式会社三菱総合研究所研究員。1989年京都府生まれ。京都大学大学院農学研究科修了。専門は、都市計画・サプライチェーンマネジメント。現在、2025年の大阪・関西万博に関する調査・企画に携わる。

佐々木美奈子
株式会社三菱総合研究所研究員。1987年神奈川県生まれ。北海道大学大学院農学院にて、美唄湿原の泥炭土壌を研究し修了。専門は、気候変動政策。現在、企業のESG/SDGs戦略の策定支援に携わる。

生田美生
株式会社建設環境研究所にて生物多様性に関する国際事例調査や企業の情報開示に関する業務を担当。9年にわたり東日本大震災被災地、マラウイ、ミクロネシア連邦、スーダンなどで人道支援や開発協力など経験した後、2020年より現職。

フランシス・ボーヒーズ Francis Voorhees
保全経済学者。ステレンボッシュ大学(南アフリカ共和国)アフリカ野生生物経済研究所の創設者・所長、オックスフォード大学野生動物保護研究室の研究客員、IUCN持続可能な利用専門家グループメンバー。IUCN事務局初のチーフエコノミストを務めた。コロラド大学ボルダー校で生態経済学の創始者であるケネス・ボルディングに師事。