BIOCITY ビオシティNo.74 エコロジカル・デモクラシーのデザイン 世界をつなぐ15 の原則
監修:エコロジカル・デモクラシー財団
発刊:2018年4月11日
価格:2,500円(+消費税)
判型:B5判
頁数:128頁
ISBN978-4-907083-46-5 C0040
特集
エコロジカル・デモクラシーのデザイン
世界をつなぐ15の原則
監修:エコロジカル・デモクラシー財団
まちづくりの世界的潮流として注目される「エコロジカル・デモクラシー」(エコデモ)を特集。提唱者のランドルフ・ヘスター教授(カリフォルニア大学)は、「社会を直すと自然が治り、自然を直すと社会が治るという、不思議な回路を意識し、制度や事業に採り入れることで、都市や世界に働きかけるデザイン」と説明する。本特集では、エコデモに共感し、都市デザインに取り組む専門家が事例を紹介。2020に向けた東京や、東北の復興再生にも働きかける。
目次
4 巻頭言「エコロジカル・デモクラシーとは何か?」土肥真人
8 序文「エコロジカル・デモクラシーのデザインが創りだす未来」ランドルフ・ヘスター
10 基調論文「コミュニティー・デザインからエコロジカル・デモクラシーの都市デザインへ」土肥真人
20 「エコデモ、日本のまちづくりと出会う」佐藤滋
30 「『エコロジカル・デモクラシーのデザイン』を読む」佐々木葉
Part I エコデモの空間・地域デザインへの波及
38 「変わる都市計画 エコデモの萌芽となる新たな動き」佐谷和江
46 「水と自覚の都市デザイン」山下三平
54 「世界にみるエコロジカル・デモクラシーの潮流 ブラジル・クリチバ市の事例より」服部圭郎
62 「自然が都市にくれるもの:市民参加のフレームワーク」杉田早苗
70 「狭山丘陵の開発史にみるエコロジーとデモクラシーの相互作用」藤村龍至
Part II エコデモの現場への刺激
78 「金沢・能登 寄り合いと美しい風景」丸谷耕太+坂村圭
82 「世田谷 まちづくりの生態系」福永順彦
86 「前橋 水の教え、地の歴史、食の宴」臼井敬太郎
90 「東アジア 渡り鳥が描くエコデモ」所谷茜
94 「山古志村 限界を越えて、つながる」清野隆
99 「横浜 金沢シーサイドタウン×エコロジカル・デモクラシー」中西正彦
ミニ連載
104 ヴィンテージ・アナログの世界 レコード・レーベルの黄金期⑯ 高荷洋一
108 世尊寺家の書③ 藤原伊房筆「藍紙本万葉集」 恵美千鶴子
連載
112 動物たちの文化誌㉑ 鯨を捕る1 日本の鯨捕り 早川篤
121 コミュニティデザイン学科通信⑧ 「Co-Minkan」と社会的処方_出野紀子
著者紹介(特集)
Randolph T. Hester
らんどるふ・へすたー
カリフォルニア大学バークレー校ランドスケープ・アーキテクチュア&環境計画学科名誉教授。Center for Ecological Democracy共同創立者、Community Development by Design事務所主宰、SAVE International 代表。
土肥真人
どひ・まさと
エコロジカル・デモクラシー財団 代表理事。東京工業大学環境・社会理工学院建築学系准教授。専門はランドスケープ、コミュニティー・デザイン。1992年にカリフォルニア大学バークレー校でランディー・ヘスターにコミュニティー・デザインを学ぶ。2016年、エコロジカル・デモクラシー財団を設立。エコデモを説明する言葉を磨き、実践する技術を鍛えている。
佐藤 滋
さとう・しげる
早稲田大学総合研究機構上級研究員。「まちづくり」は多主体が協働する創造活動であるとし、現場での実践と研究をとおしてまちづくりデザイン、都市・地域マネジメントのための方法論と技術開発に取り組んでいる。編著書に、『まちづくり市民事業』(学芸出版社)、『新編・図説城下町都市』、『まちづくり教書』、『まちづくり図解』(いずれも鹿島出版)など。
藤村龍至
ふじむら・りゅうじ
建築家。東京藝術大学准教授。RFA主宰。アーバンデザインセンター大宮(UDCO)副センター長。主な建築作品に「すばる保育園」(2018)「鶴ヶ島中央交流センター」(2018)「OM TERRACE」(2017)など。主な著書に『批判的工学主義の建築』『プロトタイピング』がある。
佐谷和江
さたに・かずえ
計画技術研究所代表取締役。江戸川総合人生大学では江戸川まちづくり学科長(14年目)、横須賀市では土地利用調整審議会委員長を担当。寺島・玉ノ井まちづくり協議会(東京都墨田区)にコンサルタントとして携わる。
山下三平
やました・さんぺい
九州産業大学建築都市工学部教授。専門は河川工学/景観工学。著書に『景観の生態史観:攪乱が再生する豊かな大地』(共著)など。
服部圭郎
はっとり・けいろう
龍谷大学政策学部教授。三菱総合研究所主任研究員、明治学院大学経済学部教授、ドルトムント工科大学客員教授などを歴任し、2018年4月より現職。専門は都市計画、都市政策、コミュニティ・デザイン、フィールドスタディ。著書に『若者のためのまちづくり』、『サステイナブルな未来をデザインする知恵』など。
佐々木 葉
ささき・よう
早稲田大学創造理工学部教授。専門は土木分野での景観論、デザイン論。NPO郡上八幡水の学校副理事長。岐阜県恵那市、長野県宮田村などの景観まちづくりに関与。共著に『風景とローカルガバナンス』(早稲田大学出版会)など。
杉田早苗
すぎた・さなえ
東京工業大学環境・社会理工学院助教。専門は都市・地域計画、都市計画史、まちづくり。最近では、市民による公共空間の利活用や公共空間における社会的公正の問題、ホームレスの人々の排除や支援政策などオープンスペースに関わる研究を行う。
中西正彦
なかにし まさひこ
横浜市立大学国際総合科学部准教授。専門分野は都市計画・土地利用計画。それらに関する制度論・計画論研究および自治体の都市計画審議会委員等の他、近年は郊外住宅地の活性化支援に取り組む。
丸谷耕太
まるや・こうた
金沢大学助教。専門はコミュニティ・デザイン。伝統工芸と自然の連環、文化的景観、文化多様性の研究を行う。石川県の持続的な観光の促進に取り組む。
坂村 圭
さかむら・けい
北陸先端科学技術大学院大学知識マネジメント領域助教。専門は都市計画。自然資源と社会のつながりをもとに地域活性化に向けた研究と活動を実践している。
福永順彦
ふくなが・のぶひこ
場所づくり研究所プレイス代表。歴史的街並み形成、景観計画などのコンサルタント勤務を経て2000年より現職。ユニバーサルデザインまちづくり、住民参加の手法による地域まちづくりの支援に取り組んでいる。
臼井敬太郎
うすい・けいたろう
前橋工科大学工学部建築学科講師。西日本工業大学デザイン学部建築学科講師を経て2015年より現職。近代建築史。八木健太郎とRGB BUILDING WORKSHOPを共同主宰。地域を支え文化を語る歴史的建造物に再び光をあて「建築の尊厳を再構築」するライティング・インスタレーションBUILDING DIGNITYを各地で開催。
清野 隆
せいの・たかし
江戸川大学社会学部准教授。専門は歴史景観の保全、観光まちづくり。川越、横浜、宿根木などの歴史的町並みの保全活用、観光まちづくりの研究に携わる。エコロジカル・デモクラシー財団理事。
所谷 茜
ところだに・あかね
東京工業大学社会工学専攻博士課程。2015年のTeam SPOONの立ち上げ時から活動に携わり、現在はTeam SPOONの代表をつとめつつ、東アジアの沿岸地域における自然と生活文化のつながりとそれらの保全制度について研究している。