ビオシティ BIOCITY 81号 社会を変えるクリエイティブソリューションズの現場
発刊:2020年1月7日
価格:2,500円(+消費税)
判型:B5判
頁数:128頁
ISBN978-4-907083-59-5 C0040
特集
社会を変えるクリエイティブソリューションズの現場
studio-L アメリカ東海岸を訪ねて
企画:studio-L+山崎 亮
ニューヨークでは、地域社会の問題を解決するための様々な取り組みやアイディアで、世界の注目を集めてきた。しかし、地価の高騰で従来の住民が住めなくなるなど、社会問題の多様化、二次化が進む。そのなかで、コミュニティやNPO、企業、公共図書館、アーティストなどが、さらにユニークで創造的な解決策を駆使して問題に対峙しています。その最新事例をコミュニティデザイナー集団として全国で活動するstudio-L のメンバーが視察し、報告します。
目次
4 総論 アメリカの超越主義思想とクリエイティブソリューションズ 山崎 亮
22 ファッションの未来を変えるアップサイクル:衣料ゴミ問題とファブスクラップ 林 彩華
31 学ぶ環境を全力で支えるコミュニティスクール 出野紀子
40 ハイラインとジェントリフィケーション:二人の青年から始まった景観保存 山本洋一郎
48 空き家を活用した住宅支援:社会弱者と地域を結ぶランド・トラスト 神庭慎次
56 学校教員の学びを支援:ブルックリン公立図書館の取り組み 太田未来
64 本から広がるコミュニティと創造性:ブルックリン・アート・ライブラリー 洪 華奈
72 ティファニーとアーツ&クラフツ運動の思想 西上ありさ
80 ソーシャルデザインの源流としてのニュースクール 藤山綾子
86 利益を社会課題の解決に還元するイギリスのチャリティショップ 山崎 亮
ミニ連載
95 ヴィンテージ・アナログの世界 レコード・レーベルの黄金期㉑_高荷洋一
98 奈良の書 ② 法隆寺献物帳_恵美千鶴子
連載
102 動物たちの文化誌 ㉗ ウチナーの動物たち_早川 篤
110 コミュニティデザイン学科通信⑭ コミュニティ学科と地域との関係性_醍醐孝典
118 欧州グリーンインパクト③ SNCFにみる持続可能な木材利用_遠藤浩子
著者紹介
山崎亮:1973年愛知県生まれ、studio-L代表。2005年studio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するための「コミュニティデザイン」の先駆的実践者として、全国で住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザイン、市民参加型のパークマネジメントなどに取り組む。
西上ありさ:1979年北海道生まれ。studio-L創立メンバー。島根県の離島、海士町での集落支援が地域再生の事例として注目される。「野々市市地域包括ケアシステム構築事業」「介護福祉のこれからプロジェクト」など、主に住民参加による総合計画の策定、地域の特産品開発・ブランディング、集落診断・集落支援、地域包括ケアシステムの構築、こうみんかん活動普及事業などを担当。
神庭慎次:1977年大阪府生まれ。大阪産業大学大学院時代より姫路市家島地区のまちづくりに関わる。卒業後、NPO法人環境デザイン・エキスパーツ・ネットワークを設立。2006年よりstudio-Lに参画し、泉佐野丘陵緑地、観音寺中心市街地活性化、今治みなと再生、近鉄百貨店「縁活」プロジェクトなどに従事。ボランティアの人材育成、WEBやグラフィックデザインなども担当。
洪 華奈:1984年滋賀県生まれ。2006年成安造形大学でメディアデザインを学ぶ。インテリア照明メーカーDI CLASSEを経て、2011年よりstudio-Lに参画。東京を拠点に、立川市子ども未来センター市民活動支援事業、睦沢町上市場地区魅力づくり事業、横浜市都筑区つづきつながりカレッジ運営事業などを担当。
出野紀子:コミュニティデザイナー。Co-Minkan普及実行委員会共同代表。2011年にstudio-Lに参画。現在は、全国で介護・福祉のこれからの仕事について考えるデザインスクールの運営に携わる。2017年にCo-Minkan普及実行委員会を立ち上げ、「つどう・まなぶ・むすぶ」ための私設公民館の普及と支援活動に取り組んでいる。
林 彩華:1977年大阪府生まれ。関西大学卒業後、建設コンサルタントを経て、2013年よりstudio-Lに参画。地域のブランディング、職員研修やボランティアの育成、公共施設の運営計画や基礎自治体の総合計画策定などに携わる。土木学会景観デザイン研究編集賞委員会委員(2006-08年)。延岡駅まちプロジェクト、長久手市なでラボ、草津川跡地整備プロジェクト、鳥取県智頭町総合計画策定などを担当。
太田未来:1980年神奈川県生まれ。茨城大学大学院で農村計画を専攻。修了後は株式会社サーベイリサーチセンターを経て2014年よりstudio-Lに参画。公園づくりや中心市街地活性化、図書館などの公共施設活用の活用に関するプロジェクトに関わる。大阪府交野市では市民と共に新しい学校づくりのプロジェクト「かたのあしたのがっこう」を担当している。
山本洋一郎:1980年愛知県生まれ。東京工業大学大学院建築学系修了。在学中にパリ・ラ・ヴィレット建築大学に留学。卒業後、清水建設で国内外の大規模複合建築などの企画・設計実務に関わる。2014年よりstudio-Lに参画。2015年より、北海道と関東を中心に、住民参加型の建築プロジェクト、地域包括ケアを目指した医療福祉系のプロジェクトなどに携わる。一級建築士。
藤山綾子:1983年神奈川県生まれ。金融機関を経て、多摩美術大学造形表現学部でデザインを学び、2013年よりstudo-Lに参画。立川市子ども未来センターでの市民活動支援を中心に、墨田区食育計画など、各地の計画づくりやそのデザインを担当。